泌尿器の病気と治療(男性編)

泌尿器について正しい知識を

泌尿器(男性)

腎臓
1)血液から尿をつくる
2)老廃物や有害物質を体の外に出す
3)体の水分や、電解質等の調整
4)赤血球をつくるホルモンの分泌

尿管
腎臓でできた尿を膀胱へ運ぶ

尿道
1)体の外へ尿を出す
2)射精する時の精子の通り道

膀胱
1)尿を貯める働き(蓄尿)
2)尿を体外へ出す働き(排尿)

前立腺
精液の一部である前立腺液をつくる







症状1:尿路感染症

腎臓、膀胱および尿道などを尿路といい、尿路に細菌が侵入して炎症を起こした状態を尿路感染症といいます。炎症の主体が膀胱にある場合を膀胱炎、腎臓にある場合を腎盂腎炎といいます。
膀胱炎では頻尿や排尿痛などの膀胱刺激症状がみられます。腎盂腎炎では発熱や腰痛が主体となります。


尿路に結石などの基礎疾患がない場合を単純性尿路感染症、ある場合を複雑性尿路感染症といいます。
男性の場合、結石など基礎疾患のない尿路感染症(単純性尿路感染症)はほとんどなく、前立腺肥大症や神経因性膀胱などの基礎疾患がある場合(複雑性尿路感染症)が大部分です。
複雑性尿路感染症の原因となる細菌は、大腸菌、緑膿菌、腸球菌などで、複数種の細菌が原因となることが多くあります。
発症の仕方により、それぞれ急性と慢性に分け、急性単純性膀胱炎、慢性複雑性膀胱炎というようになります。

症状2:前立腺炎

前立腺の炎症により排尿時に痛みや頻尿、残尿感といった症状が現れます。前立腺炎には細菌感染が原因で特に高熱を伴う急性前立腺炎と、必ずしも細菌感染と関係がなく、症状が長く続く慢性前立腺炎があります。急性前立腺炎は阿寒、戦慄を伴った発熱の他、排尿痛、頻尿、尿混濁など発熱を除けば急性膀胱炎に似た症状があります。慢性前立腺炎は、発熱はほとんどなく、会陰部痛、尿道不快感、排尿痛などがあります。

症状3:尿路結石症

腎臓、尿管、膀胱などの尿路に尿の成分の結晶が析出し、その結晶を核として石ができる病気です。
成分により、「カルシウム結石」、「尿酸結石」などに分けられます。尿路結石の約80%はカルシウム結石(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム)です。

【予防】
1)水分を十分にとる
2)適度なカルシウムの接種
3)バランスのとれた食事

症状4:尿失禁

尿失禁を病気と思わず「年のせい」あるいは「恥ずかしい」、「人に言えない」ものとして隠したがる傾向がありますが、尿失禁は原因がはっきりしている病気によるものが多くあり、正確な診断により治療は可能です。尿失禁には、切迫性尿失禁や溢流性尿失禁などがあります。

【切迫性尿失禁】
「トイレに行きたいな」と思ったら、すぐにトイレに行かないと我慢できずに漏れてしまう状態です。男性に多く、前立腺肥大でもみられます。

【溢流性尿失禁】
尿の排出障害であり、残尿が多いため尿が膀胱からあふれ出て少しずつ漏れている状態です。

症状5:前立腺肥大症

前立腺肥大症

前立腺肥大症は、高齢男性においてもっとも頻度の高い疾患の1つであり、60歳の男性で50%以上に、85歳までに90%に認められ、その4分の1の方に症状が出るといわれています。

前立腺の内側(内腺)が肥大し、尿の通り道の尿道を圧迫することで、排尿が始まる(あるいは終わる)までに時間がかかったり、尿の勢いが弱くなったり、排尿後に残尿感があったりします。いっぽう、膀胱を刺激するので1日に何度もトイレに行き、急に排尿したくなり、排尿が我慢できずに失禁することもあります。
そのままの状態で治療を受けずにいると肥大した前立腺が尿道を圧迫し残尿の発生から腎不全となることもあります。

症状6:前立腺がん

前立腺にできるがんで、がんの成長には男性ホルモンが関係しています。米国では、男性のがんの中で罹患率は1位、死亡率も上位で、わが国でも高齢化や食生活の欧米化とともに、急激に増加しつつあります。50歳未満の人では少なく、60歳くらいから急増する典型的な“高齢者がん”です。

早期には症状がなく、がんが進行してから前立腺肥大症と同様の症状がみられるようになります。腫瘍マーカーPSA(前立腺の細胞が作り出す特有の蛋白質を血液検査で測定)によりかなり高い確率でがんを早期発見することができます。